眼瞼下垂手術と二重整形の違い
目的・眼瞼下垂の確認方法・回復
二重整形と眼瞼下垂手術は目的が異なります。
二重整形と眼瞼下垂手術を併せてすすめられ、2つの手術の違いを尋ねる方が多くいらっしゃいます。
概要
| 眼瞼下垂手術 | 二重整形 | |
|---|---|---|
| 手術部位 | まぶたの裏側(目を開ける筋肉) | まぶたの表側(皮膚) |
| 目的 | 目を開ける力そのものを補う | 黒目にかかるまぶたの皮膚を折り上げる |
| 修正するもの | 目を開ける筋肉(眼瞼挙筋・ミュラー筋)の長さ | まぶたの皮膚とライン |
| 適応 | 目を開ける力が弱い眼瞼下垂 | 皮膚が目にかぶさる偽眼瞼下垂 |
| 腫れ | 切らない眼瞼下垂 1〜2週間 / 切開式 2〜4週間 | 自然癒着法 1〜2週間 / 切開法 2〜4週間 |
2つの手術を併せて行っても、腫れが大幅に強くなったり、回復が長引いたりすることは多くありません。
要点
- 二重整形は、黒目にかかるまぶたの皮膚を折り上げる手術です。眼瞼下垂手術は、目を開ける筋肉の長さを調整し、目を開ける力そのものを補う手術です。
- 目を開ける力が正常であれば、二重整形だけで十分なことが多くあります。眼瞼下垂がある場合、はっきりした目元を期待するには、眼瞼下垂手術を併せて行う必要があります。
- これを確認せずに二重幅だけを広くとると、かえって目がより眠そうに見えたり、腫れぼったく不自然な目元になったりすることがあります。
二重整形と眼瞼下垂手術は目的が異なります
まぶたは、皮膚でできた表側と、目を開ける筋肉でできた裏側に分かれ、どちらか一方でも下がると黒目を隠します。表側が下がっている場合は表側の皮膚を折り上げる二重整形を、裏側が下がっている場合は裏側の筋肉を引き上げる眼瞼下垂手術を行います。
二重整形は、黒目にかかるまぶたの皮膚を折り上げる手術です。眼瞼下垂手術は、目を開ける筋肉(眼瞼挙筋またはミュラー筋)の長さを調整し、目を開ける力そのものを補う手術です。
目を開ける力が正常であれば、二重整形だけで十分なことが多くあります。たるんだ皮膚がまぶたを覆って目が小さく見える偽眼瞼下垂であれば、二重整形だけでも目が大きく見える効果が期待できます。一方、目を開ける力が弱く黒目が上まぶたに隠れる眼瞼下垂がある場合、はっきりした目元を期待するには、眼瞼下垂手術を併せて行う必要があります。
これを確認せずに二重幅だけを広くとると、かえって目がより眠そうに見えたり、腫れぼったく不自然な目元になったりすることがあります。

眼瞼下垂は思ったより多く見られます
眼瞼下垂は、目を開ける筋肉の力が弱い、または筋肉とまぶたのつながりがゆるみ、上まぶたが黒目を隠す状態です。生まれつきの場合もあれば、加齢や長年のコンタクトレンズ使用、目を頻繁にこする習慣によって後天的に起こる場合もあります。
韓国の国民健康栄養調査に参加した40歳以上の韓国人20,941人を分析した研究があります。加齢による眼瞼下垂の有病率は13.5%で、40代の5.4%から70歳以上の32.8%まで、年齢とともに高くなりました(Kim et al., 2017)。
まぶたの高さが正常の範囲にあっても、おでこに力を入れて目を開けている場合は、隠れた眼瞼下垂の場合があります。美容目的の上まぶたの手術を受けるアジア人患者に、こうした隠れた眼瞼下垂が多く見られるとする研究があります。予測可能な結果を得るには、眼瞼下垂の要素を併せて修正することが重要だとしています(Wong et al., 2024)。
眼瞼下垂手術が必要かどうか、鏡で確認してみましょう
ただし、目を開ける力を正確に見るには、額の筋肉の力を遮断し、偽眼瞼下垂を除外した状態で確認する必要があります。そのためセルフチェックは参考程度にとどめてください。実際にはカウンセリングで目を開ける筋肉の力を直接確認してから判断します。
- 正面を見たとき、黒目の上部が1〜2mm以上隠れている
- 「眠そう」「疲れて見える」とよく言われる
- 目を開けるときに無意識に額を上げ、額に深いしわができる
- あごを引いて上を見るとき、まぶたが重く、目が開きにくい
- 二重整形をしたのに、目元がまだ重く見える
中高年の方は皮膚のたるみも併せて見る必要があります
おでこの力で目を開ける習慣が長い中高年の方は、たるんだ皮膚を除去する上眼瞼切開だけでは、目の開けにくさが解決しないことがあります。目が眠そうなままだったり、再び下がったりすることがあります。中高年では皮膚のたるみと眼瞼下垂が併せてあることが多いため、手術前に目を開ける力を確認し、必要であれば同じ切開線から眼瞼下垂手術を併せて行います。
矯正量は多すぎても少なすぎても問題になります
目を開ける力が正常な目に眼瞼下垂手術を過度に行うと、目が完全に閉じなくなったり、睨んでいるような、きつい印象に見えたりすることがあります。眼瞼下垂手術の後は、目が閉じにくい状態、過矯正、低矯正、左右差、戻りが起こることがあります。目を開ける筋肉の力は人によって異なり左右差もあるため、手術中に目の開き具合を確認しながら矯正量を調整します。
過矯正や左右差が腫れが引いた後も続く場合は、修正手術を検討します。
回復の過程
眼瞼下垂手術後の腫れと回復期間は二重整形と同程度で、二重整形と併せて行っても、腫れが大幅に強くなったり回復が長引いたりすることは多くありません。目立つ腫れは、切らない方法で通常1〜2週間、切開する方法で2〜4週間で大きく落ち着きます。
冷却は術後7日間行ってください。腫れと内出血は2〜3日目が最も強く、3〜5日間は頭を高くしてお休みいただくのがよいでしょう。禁酒・禁煙は少なくとも4週間守ってください。コンタクトレンズは術後4週間から使用できます。メイクは、傷のない部位は術後3日から、縫合部位は術後4週間から可能です。
よくある質問
切らない眼瞼下垂と切開式の眼瞼下垂手術はどう違いますか?
切らない眼瞼下垂は、皮膚を切開せず小さな穴から糸を通して目を開ける筋肉を引き上げる方法です。切開式の眼瞼下垂手術は、二重のラインを切開して筋肉を直接確認しながら矯正する方法です。切らない方法は腫れと回復の負担が少なく、まぶたの下がりが軽い場合に適しています。切開式は矯正量が多い場合や目の大きさに左右差がある場合、再手術の場合に主に選びます。
二重を作らず、眼瞼下垂手術だけを受けることはできますか?
二重を作らず、一重のまま眼瞼下垂手術だけを行うことも可能です。正確には、目を開けたときに外からはほとんど見えない細い奥二重のラインを併せて作ることになります。一重の目元を維持しながら、黒目がより見えるようにしたい場合に検討します。
男性の眼瞼下垂手術はどう違いますか?
男性の眼瞼下垂手術は、眠そうな印象や疲れて見える印象の改善に重点を置き、目が過度に大きく見えないよう矯正量を調整します。まぶたが厚く目と眉の間が狭いことが多いため、矯正が過度だと印象がきつく見えることがあります。二重を作らず眼瞼下垂手術だけを行うか、低いラインを併せて作るかは、顔の印象を見てカウンセリングで決めます。
参考文献
- Kim MH, Cho J, Zhao D, Woo KI, Kim YD, Kim S, Yang SW. Prevalence and associated factors of blepharoptosis in Korean adult population: The Korea National Health and Nutrition Examination Survey 2008-2011. Eye (Lond). 2017;31(6):940-946. doi:10.1038/eye.2017.43 PMID 28338663
- Wong CH, Hsieh MKH, Mendelson B. Subclinical Upper Eyelid Ptosis in Asian Patients: The Role of Levator Advancement in Optimizing Outcomes in "Cosmetic" Upper Blepharoplasty. Aesthetic Plast Surg. 2024;48(2):141-151. doi:10.1007/s00266-023-03697-1 PMID 37821553
- 박대환, 백봉수, Nahai F. 안성형외과학. 제3판. 군자출판사; 2009. ISBN 978-89-6278-139-7.(韓国語)
- Cho I. The Art of Blepharoplasty. Koonja Publishing; 2017. ISBN 979-11-5955-234-2.
- 대한미용성형외과학회. 미용성형외과학 2. 제2판. 군자출판사; 2023. ISBN 979-11-7068-001-7.(韓国語)